ヒトの性格を示す「 内向的と外交的 」、対照的なこの用語は精神科医のカール・ユング氏が広めたもの。
定義としては、
- 外交的:社会的交流や刺激的な外部環境を好む
- 内向的:静かで孤独な環境を好む
「好む」という表現が多いため嗜好の違い考えられましたが、20世紀後半になり脳の仕組みが違うことが分かりました。つまり、内向的と外交的な生き物として”違う”そうです。
外交的と内向的 :”刺激”に対する耐性が違う
私たちの設計図といえる遺伝子、内向的と外交的ではドーパミンの受容体の遺伝子(DRD4)に大きな差があります。
ドーパミンは刺激を受けたときにできる物質で、ドーパミン受容体はその受け皿。
- 外交的:DRD4が長い=刺激の受け皿が大きい
- 内向的:DRD4が短い=刺激の受け皿が小さい
受け皿にドーパミンがちょうどよく入っているときが「幸福」とか「心地いい」と感じるとき。
受け皿に入っているドーパミンの量が少ないともの足りなくて、逆に受け皿から溢れてしまうと「ヤバイ」という恐怖を感じます。
外交的と内向的 :脳の中の血の流れや量が違う
外交的と内向的を比べると、脳内に流れる血の量は内向的の人のほうが多いそうです。
また外交的と内向的を比べると、次のように流れる血の量に違いがあります(あくまでも比べてみた場合)。
外交的:視覚、聴覚、触覚など感覚情報を処理する脳の各部に流れる血の量が多い
内向的:思考に携わる部分に流れる血の量が多い
外交的と内向的 、これからの社会はどちらも必要
これまでの社会では内向的な人は「社交性がない」「積極性が足りない」など悪いイメージをもたれ、逆に外交的な人は大企業の社長や政治家に多いことから「優れている」というイメージがありました。
純粋にペーパーテストの点数で言えば内向的な人のほうが点数が高い傾向にあるそうです。
それでもハーバード大学の入学者が内向的な人ばかりではないのは面接試験などが加味されているからで、アメリカでは内向的ではハーバード大学入学のチャンスが減るとも言われてたそうです。
しかし今では「得意なところが違う」という認識になっており、社会ではどちらの得意も、つまり外交的と内向的の両方が必要となっています。
内向的を見直すこと、これはアインシュタインやビル・ゲイツのような『ギフテッド』を見い出すことに繋がります。
ギフテッドとは生まれつき突出した知的能力や芸術的な才能を持っている人を指し、米国で公表されているギフテッドの子どもの割合は公立学校で約6%で、私立学校ではもう少し高くなるそうです。
ギフテッドは基本的に内向的な人が多いため、ギフテッドが社会を動かすブレイクスルーになるには周囲の理解が必要だったと言います。
脳の作りが違うのだから理解は難しい。
しかし理解できなくても彼らの考え、価値観、こだわりなどを尊重したことで、社会はそのギフトの恩恵を受けられたそうです。
【結論】 外交的と内向的 は 個性である
外交的と内向的な脳の作りが違う、違う生物なので相手の価値観を理解することは難しいそうです。
特に今までの社会が外交的を優位に見ていたため、内向的をバカにする傾向にあります。
しかし最近の研究によって外交的と内向的な「個性」のひとつであり、社会を発展させるにはどちらも重要とされてきています。
今後は受験や就職活動にて内向性も評価されると言われています。
いままで評価するスケールは外交的を重視する仕様になっていたため、新評価体制はスケールの改良から必要なので成立に時間がかかるでしょう。
でも必ず変わるでしょう。
多様性そのものですから。
とりあえずこの瞬間から子どもの内向性、「友だちと遊ばないの?」みたいに一人遊びしたい気分を否定せずにいようと思いました。
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