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医師作家 という生き方──命をめぐる物語、リアルと物語が交差する6人の医療文学者たち

ただのひとりごと
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最近「 医師作家 」の特集を目にする機会が何度かあった。

医師って作家になりやすい職業なのだろうかと思ってAIに聞いてみたら……。

人工知能
人工知能

けっこう“なりやすい”側面、ありますよ。
もちろん全員がそうってわけじゃないですが、医師が作家になる土壌はかなり整ってるんです。

医師作家 が珍しくない理由

1. 人間ドラマの宝庫にいる

  • 医師は日々、生と死・希望と絶望・葛藤と決断を目の当たりにしている
  • 小説のエッセンスである“感情の起伏”をリアルに経験している

2. 語彙・論理・記録力がある

  • 医療現場では、精密な記録・説明・判断が求められる
  • 論理的かつ情緒的な文体を鍛える場になっていることがある

3. 職業的な信頼性・知名度

  • 医師という肩書きは出版業界でも「専門性×物語性」で注目されやすい
  • 「医学×文学」のクロスジャンルができる

代表的な 医師作家

どんな医師作家がいるのか、「honto選書特集|書店員おすすめ 医者でもある作家の小説特集20選」を参考に、6人の医師作家を生成AIの力を借りてまとめてみた。

久坂部羊:『悪医』

久坂部羊さんは外科・麻酔科を専門とする医師

大阪大学医学部を卒業後、大学病院で外科・麻酔科の研修を受け、成人病センターや神戸掖済会病院で勤務。その後は在外公館の医務官として海外勤務も経験し、帰国後は在宅医療や高齢者医療に従事。

選書『悪医』は末期がん患者とその主治医の視点が交互に描かれる医療小説で、医療の限界と人間の尊厳を深く掘り下げた作品。第3回日本医療小説大賞を受賞し、医療現場のリアルと倫理的葛藤を描いた作品として高く評価されている。

夏川草介:『神様のカルテ』シリーズ

夏川草介さんは内科医として長野県の地域医療に従事する現役医師

信州大学医学部を卒業後、地方病院で高齢者医療や在宅診療を中心に活動しており、消化器内科や総合診療的な分野に強みを持っている。

選書『神様のカルテ』は医療現場のリアルな描写と患者との心の交流が丁寧に描かれている作品で、医療者だけでなく、人生や死と向き合うすべての人に響く内容。シリーズは続編や番外編もあり、映画・ドラマ化もされている。

南杏子:『ディア・ペイシェント』『サイレント・ブレス』

南杏子さんは内科医で、特に終末期医療在宅医療に深く関与。

都内の終末期医療専門病院で勤務し、高齢者医療や看取りの現場での経験が作品にリアリティと深みを与えていると評価されている。

『ディア・ペイシェント』は医療現場におけるモンスターペイシェント(過剰な要求やクレームを繰り返す患者)との葛藤を描いた作品で、NHKでドラマ化もされ、医師と患者の信頼関係のあり方を問いかけるヒューマンサスペンスとして話題になった。

『サイレント・ブレス』は終末期医療専門病院に勤務する若き女性医師を主人公とした作家の医師としての原体験が色濃く反映されたデビュー作品。ミステリーの要素も織り交ぜながら、死を「敗北」ではなく「ゴール」と捉える視点が印象的。

渡辺淳一:『花埋み』

渡辺淳一さんは整形外科を専門とする医師

札幌医科大学医学部を卒業後、同大学の整形外科講師として勤務していたが後に作家へと転身。医師としての経験が彼の医学を題材にした小説群に深いリアリティを与えた。

『花うずみ』は日本初の女性医師・荻野吟子の波乱に満ちた生涯を描いた歴史小説(事実に即しつつも作家による文学的な脚色や心理描写が加えられたフィクション寄りの伝記作品)。

医師としての先駆者でありながら、女性としての幸福も追い求めた吟子の人生は信念と愛に貫かれた一代記で、この作品は単なる伝記ではなく女性の社会的地位・医療倫理・愛と使命の葛藤を描いた文学作品として高く評価されている。

南木桂士:『ダイヤモンドダスト』『阿弥陀堂だより』

南木なぎ桂士さんは内科を専門とする医師

秋田大学医学部を卒業後、長野県の佐久総合病院に勤務。医師としての経験と、後に患ったうつ病やパニック障害の体験が彼の文学作品に深い陰影とリアリティを与えている。

『ダイヤモンドダスト』は死にゆく人々と向き合う看護師・和夫の視点から描かれる静かな物語で、第100回芥川賞受賞作品。死を悲劇ではなく自然の一部として受け入れる静かな諦観が作品全体に漂っている。

『阿弥陀堂だより』は心の病を抱えた女医・美智子とその夫・孝夫が、信州の山里で再生していく物語で、四季折々の自然と静かに生きる人々の姿が、生と死、再生と癒しを優しく描き出す作品。

帚木蓬生:『風花病棟』

帚木蓬生さんは精神科医

東京大学文学部仏文科を卒業後、TBS勤務を経て九州大学医学部に進学。精神科医として病院勤務や開業医として活動しながら、作家としても数々の医療・社会派小説を執筆。

『風花病棟』は10人の医師たちを主人公にした短編集で、それぞれの医師が患者と向き合う中で見つける「生き方」や「医師としての在り方」が描かれている。

続編的な位置づけの作品に『花散る里の病棟』がある。

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