第3号被保険者 になって10年ーー。
誕生日を迎えて「ねんきん定期便」がきたときに気になった。
第3号被保険者の年金って誰か払っているの?
配偶者?
会社?
国?
自分は払っていないということしか分からない。
あれ?
どうなっているんだろう。
調べてみた。
第3号被保険者 とは?
第3号被保険者は「自分では保険料を納めていないけれど、納めたことになっている人」のこと。
- 第3号被保険者は厚生年金に加入している人(第2号被保険者)に扶養されている配偶者が対象。
- 主に専業主婦(夫)やパートタイムで働く配偶者が該当。
誰が 第3号被保険者 の保険料を払っているの?
第3号被保険者 本人は保険料を払っていません。
では、誰が負担しているのかというと――。
- 年金(国民年金)は国が厚生年金制度で負担
- 健康保険料
- 医療保険:配偶者の保険料に扶養者分が含まれている(配偶者の保険料に上乗せされない)
- 介護保険:配偶者の健康保険料に含まれる形で負担(配偶者の保険料に上乗せされる)
年金、第3号者の分をどうして厚生年金制度が負担してくれるの?
第3号被保険者の保険料を厚生年金制度と国(税金)を使って拠出するのは、社会として子育てや介護など家庭内での無償労働を担う人が必要だと判断しているから。
「結婚・出産・育児などで働き方が変わっても年金権を失わないようにする」という社会的なセーフティネットの役割があり、第3号制度は子育てや介護など家庭内での無償労働を担う人を支える制度でもある。
健康保険(医療保険)、どうして配偶者の保険料に上乗せされないの?
健康保険制度が「保険料は被保険者の年収で決める」というシステムになっているから。
保障は世帯単位なので、被保険者の扶養家族は“無償で”医療保障を受けられる。
つまり独身扶養者ゼロの人でも、既婚扶養家族が3人いる人でも、年収が同じなら保険料は同じ。
「世帯を支える」を前提にしたシステムなので保険料率は比較的高めに設定されているところがある。
健康保険(介護保険)、どうして配偶者の保険料に上乗せされるの?
介護保険は「40歳以上の日本国民全員が加入者(被保険者)」というシステムになっているから。
健康保険と違って扶養されている人でも保険料を支払わなければいけない。
第3号被保険者が40歳を過ぎると、その分の保険料が配偶者(第2号被保険者)の保険料に上乗せされる。
第3号被保険者 の年金はどうなるの?
- 3号期間中も、国民年金の保険料を納めたとみなされるので、将来の老齢基礎年金の受給資格期間にカウントされます。
- ただし、配偶者(第2号被保険者)と違い厚生年金(報酬比例部分)はつかない(その分もらえる年金額は少な目)
【まとめ】 第3号被保険者 は「不思議な立場」
第3号被保険者って、なんだか不思議な立場だ。
自分では年金保険料を払っていないのに、制度で「払ったこと」にしてくれている。
制度全体が支えている立場、でも「必要」とはあまり言われない。
家庭内の無償労働、昔からいて当たり前の存在。
価値が薄れている。
「必要」でなければ、この仕組みは社会全体のバランスを壊す。
分かりやすいムダは、見直しの対象にされやすい。
すでにパートでも厚生年金に加入する人が増えていて、制度は少しずつ“縮小”の方向に動いている。
社会の混乱を招くような急な廃止は、たぶんない。
でも――いまの子どもたちが大人になる頃には、どうなっているか分からない。
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