救急車の費用は、これまで無料だと考えられていましたが、近年では緊急性のない救急搬送に「選定療養費」がかかる自治体が増加しています。
本来、救急車は命の危険があるときに利用するものですが、「軽症でも救急車を呼ぶ」ケースが増えたことで、救急医療の負担が大きくなっています。
そのため、緊急性がないと判断された搬送には費用負担が発生する場合があるのです。

総務省の報道資料によると、令和5年度中の救急車の出動件数は約760万件(前年比+約41万件)、そのうち約322万件が「軽症(外来診療)」でした。
ただし、熱中症、てんかん、呼吸困難など救急要請時点で緊急性が認められる場合は、結果的に軽症でも費用は徴収されません。
救急車の適切な利用について、詳しく見ていきましょう。
救急車 の利用で選定療養費がかかる理由
救急車 は、重い病気やケガの人をすぐに治療できる病院へ運ぶためのもの、本来は二次医療(市民病院など)や三次医療(大学病院など)へ搬送する役割があります。
しかし、最近は軽い症状でも救急車を呼ぶ人が増え、本当に救急医療が必要な人への対応が遅れることが問題になっています。このような状況を改善するため、一部の自治体では、軽症の人が救急車を使った場合に「 選定療養費 」という費用がかかる制度を導入しています。
選定療養費は原則7700円(税込)ですが、自治体や病院によって1100円~13,200円の範囲で異なる場合があります。また、この費用は健康保険が適用されず、全額自己負担になります。
- 一次医療:診療所、クリニックなどが該当し通常の外来診療を行う
- 二次医療:市民病院がなどが該当し、入院や手術が必要となるような医療を担う
- 三次医療:特定機能病院、大学病院などが該当し、高度な医療を提供する
埼玉県の選定療養費についての情報は以下の通りです:
- 初診時:7,700円(税込)
- 再診時:3,300円(税込)
- 平日時間外や休日、年末年始の選定療養費は別途全額自費で負担が必要です。
救急車 を呼ぶと「選定療養費」がかかるケース
次のような場合は、救急車で病院に運ばれた後に選定療養費が請求される可能性があります。診療が終わった後、通常の医療費と一緒に病院の窓口で支払う形になります。
- 軽い熱や軽いケガなどで救急車を呼んだ場合
- 病院へ行く手段として救急車を利用した場合(タクシー代わりの使用)
一方で、熱中症、てんかん、呼吸困難など、救急車を呼ぶ時点で緊急性が認められる場合は、診断後の結果がたとえ軽症でも選定療養費がかかりません。
救急車 を適切に使うために知っておくべきこと
救急車 は本当に必要な人が使えるように、適切な利用を心がけることが大切です。
- 命の危険がある場合のみ救急車を呼ぶ
- 軽い症状なら診療所やクリニックで診てもらう
- 不要な救急搬送は「選定療養費」がかかることを理解する
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