蚊遣り 器(かやりき) を玄関前に置いた。
暑くなるとエアコンばかり使うので、蚊は玄関から入ってくることが多い。
あの独特な匂いを嗅ぐと、夏になったと思う。
蚊遣り とは?
蚊遣り(かやり)は、蚊を追い払うために煙を焚くこと。
「蚊いぶし」と言ったりもする。
蚊遣り は夏の季語で、平安時代の歌にも登場する。
燃え立って 貌はづかしき 蚊遣り哉
―― 与謝蕪村
この句は、蚊遣りの火に照らされた人の表情を夏の情緒とともに描いた名句。
与謝蕪村は生活の細部を描くのが得意らしい。
蚊遣り の歴史
蚊遣り の歴史は、平安時代から現代まで、「焚く材料」と「目的」を変化しながら、千年以上続いてきた文化。
平安時代 に 蚊遣り の原型が登場
平安貴族は、夏の蚊対策として 「火を焚いて煙で蚊を追う」 という方法を使っていた。
材料は、杉葉・松葉・ヨモギ・艾。
枕草子などにも、夏の虫対策として火や煙を使う描写がある。
鎌倉時代から 蚊遣り は庶民にも広がる
武家や庶民の生活にも 蚊遣り が拡がる。
材料は、杉葉・松葉・茅・藁。
焚くと強い煙が出るため、蚊を追い払う効果は高かった。
江戸時代に 蚊遣り の文化が完成
江戸時代は 蚊遣り の文化が一気に発展する。
材料は、杉葉・松葉・艾・藁・除虫菊。
「除虫菊」の効果は高い
除虫菊 は蚊を弱らせる成分(ピレトリン)を含み、 蚊遣り の効果が飛躍的に高まった。
KINCHOの蚊取り線香の主成分「ピレスロイド」は、このピレトリンを化学合成したもの。
ピレスロイド(ピレトリン) は蚊の神経系に作用し、麻痺させる効果がある。
人体にはピレスロイド(ピレトリン)を分解する酵素があるため、通常の使用法での安全性は高い。
蚊遣り器の登場
陶器や金属の器に火種を入れ、煙をゆっくり出す「 蚊遣り 器」が普及。
明治時代に蚊取り線香が誕生
1890年代、除虫菊の粉を線状に固めた「蚊取り線香」が誕生。
煙で蚊を追う文化が、殺虫成分を含む煙で蚊を弱らせる文化へと進化。
蚊遣り 器について
デザインが多様化
明治時代に生まれた蚊取り線香は夏の風物詩となり、 蚊遣り 器のデザインは多様化した。
信楽焼で作られた 豚の 蚊遣り 器や、金属製の吊り 蚊遣り 器から、現代では北欧風デザインや真鍮製のミニマルデザインなど「インテリア」として注目されている。
蚊取り線香も低刺激性やアロマタイプなど多様化。
蚊遣り 器のメンテナンス
蚊取り線香を燃やすと脂(ヤニ)が発生する。
蚊遣り器の内側は茶色~黒色の脂がつくが、これは食器用の中性洗剤で簡単に落とせる(研磨剤は不要)。
脂がついたままでも使用できるが、線香の熱で溶けて火が消えたり、逆に溶けた脂に火がついて火が大きくなることがある。
はすことができる。
クレンザーのような研磨剤は不要。
使い終わり、もしくは使い始めにヤニは落としておいたほうがいい。
ヤニが多いと線香の熱で溶けて火が消えたり、逆に火がついて大きく燃えることもあるらしい。
蚊遣り ー海外はどうなのだろう?
日本製の蚊取り線香や虫除けグッズは東南アジアで人気がある。
- インドネシア
- フマキラーが蚊取り線香を展開し、現地でトップブランドに成長
- 現地の蚊に合わせた成分調整で効果を高めた
- タイ
- KINCHOの蚊取り線香が販売されている
- ココナッツなど現地素材を使った蚊取り線香もある
- デング熱対策として、シマ蚊用の特別な線香も開発
- 台湾
- 「おすだけベープ」などスプレータイプが旅行者の間で必需品として人気
- 現地の蚊にも効果があると評判
蚊取り線香は、海外に持ち込める?
蚊取り線香は一般的な防虫製品なので、ほとんどの国に持ち込むことができる。
ただし、国によっては殺虫成分や植物製品の検疫がある。
預け荷物に入れ、渡航先の規制を事前に確認するのが安心。
スプレー式防虫剤は、海外に持ち込める?
スプレー式防虫剤は一般的な家庭用防虫剤なので、ほとんどの国に持ち込むことができる。
液体なので、機内に持ち込こむときは制限の対象になる。
ガス式(エアゾール)は持ち込み禁止。
また、蚊取り線香と同様に国によっては殺虫成分や植物製品の検疫があるが、スプレー式は成分が強いことがあるため持ち込めないものもある。

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