最近、ランキングなどで SORAJIMA の作品が目立つ。
例えば、SORAJIMA製作の「お求めいただいた暴君陛下の悪女です」は2025年 ピッコマAWARDを受賞している。
SORAJIMA とは?
SORAJIMA (ソラジマ)は韓国発祥のWebtoon文化(フルカラー+縦読み)をベースに、日本独自のスタイルで発展させたデジタル漫画出版社。
完全分業制の“スタジオ型”制作スタイルを採用していることで、日経ニュースに取り上げられるなど注目されている。
SORAJIMA はWebtoon文化を日本独自のスタイルに進化
Webtoonが世界的に評価され始めたのは2010年代前半から中盤にかけて。スマートフォンの普及と縦スクロール形式の最適化が大きな転機となっている。
SORAJIMA が創設されたのは2019年。
Webtoon文化に触発されているようだがただ模倣したわけではなく、「日本的な物語性や制作哲学を融合させた“進化型”のWebtoonスタジオ」と評価されているように作品の感じが違うことは読んでいて分かる。
- 日本的な“感情の揺らぎ”や“物語の奥行き”を重視
- 韓国作品がテンポやビジュアル重視なのに対し、SORAJIMAは「読ませる力」にこだわる
- 完全オリジナル作品に特化
- 原作付きではなく、ゼロから企画・脚本・演出を構築するスタイル
- 日本人クリエイターが多数参加
- 韓国式の分業制を採用しつつ、日本人の創作文化に合うよう柔軟に設計
SORAJIMA の“完全分業制”とは?
- 企画・脚本・ネーム・線画・着彩・背景・仕上げの各工程を、専門のクリエイターが分担
- 1作品に6〜7人のクリエイターが関わる“リレー形式”で制作
- 編集者は全工程をディレクションし、作品の総責任者として統括
- 各クリエイターは得意分野に集中できるため、高いクオリティと安定した連載スピードを両立
SORAJIMA のモノづくりを日本人クリエイターはどう見ている?
「一人で全部やるのは無理。でも、チームでなら最高の作品が作れる」
総合的な評価としては分業制を“制限”ではなく“可能性”と捉えている。
個人的には、ライフスタイルに合わせた働き方ができるところいいと感じた。
良い点
- 得意な工程だけに集中できる
- 線画・着彩・背景など、自分の強みを活かせる環境
- 苦手な工程を無理に担当しなくて済む
- 編集者との連携がスムーズ
- 編集者の役割
- 作品の“プロデューサー”として全体を統括
- 市場分析・企画立案・脚本のフィードバック
- 各工程の進行管理と品質チェック
- プラットフォーム規定の確認や納品調整
- 企画やネームの段階から編集者が伴走してくれる
- フィードバックが明確で、迷いが少ない
- 編集者の役割
- リモートで柔軟に働ける
- 副業・育児中・学生など、ライフスタイルに合わせた働き方が可能
- 実際に業務委託で働く女性クリエイターからも高評価
- 創作満足度が高い
- アンケート調査によると「満足度」は85.9%
課題・懸念点
- “個人の色”が出しづらい
- 分業制ゆえに、作品全体に自分の作家性を反映しにくい
- コミュニケーションの相性が重要
- 編集者とのやりとりが多いため、相性や伝達力が作品の質に影響する
- 報酬体系が工程ごとに異なる
- 線画・着彩・仕上げなどで報酬が分かれており、全体報酬感がつかみにくい
SORAJIMA は随時クリエイターを募集中(らしい)
応募に際して作品を新たに作る必要もなく、『小説家になろう』のマイページのURLをつけるだけでよかったので、「作家/脚本家」にチャレンジしてみた。
需要に合うようだったら連絡がくるという以下のようなシビアさが気に入った。
- 市況などを鑑み作品化の可能性が高いと判断した場合には 1週間以内を目途に連絡あり
- その後も立ち上がった企画によっては連絡あり
SORAJIMA クリエイター募集ページ(https://sorajima.jp/recruitment/creator)
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