国勢調査 は、日本国内に住むすべての人と世帯を対象に行われる最も重要な統計調査です。
その目的は、人口や世帯の実態を把握し、行政施策の基礎資料を得ることにあります。また、世界各国でも同様の調査が実施されており、政策決定に活用されています。
1. 国勢調査 の目的|なぜ必要なのか?
国勢調査 は、日本の行政や社会政策を決定するための基礎データとなる重要な調査です。
- 行政施策の立案・実施のため → 少子高齢化対策、子育て支援、防災計画などに活用
- 選挙区の画定や地方交付税の算定 → 衆議院小選挙区の改定、自治体の財政計画に影響
- 都市計画や交通政策の策定 → 住民の分布を把握し、インフラ整備に活用
- 企業や研究機関の活用 → 需要予測や経済・社会学の研究に利用
国勢調査 は5年に一度実施され、2025年の調査は第22回目にあたります。この調査結果は、国や自治体の政策決定に欠かせないデータとなるため、正確な回答が求められます。
国勢調査 の回答率|未回答の婆は督促があるのか
国勢調査 の回答率は、約80%前後で推移しており、2020年の調査では81.3%の回答率でした。
回答していない場合、調査員がポストに通知を入れて回答を促すなどの対応が取られます(調査は記名式なので回答・未回答が把握できている)。
国勢調査 はパソコンやスマホから回答が可能です。
調査書にある「インターネット回答利用ガイド」に記載されたログインIDとアクセスキーを使って、専用サイトにアクセスして回答することができます。
2. 国勢調査 は日本だけがやっているわけではない
国勢調査 に類似する調査は世界各国で実施されています。多くの国では「人口センサス(Census)」と呼ばれ、日本と同じように定期的に行われています。
- アメリカ合衆国
- 10年ごとに「Census」を実施。
- 憲法に基づき、選挙区の画定や予算配分に活用される。
- イギリス
- 10年ごとに「National Census」を実施。
- 人口動態や社会構造の変化を把握するために利用。
- 韓国
- 5年ごとに「人口住宅総調査」を実施。
- 行政計画や都市開発の基礎データとして活用。
- フランス
- 「ローリングセンサス方式」を採用し、毎年一部地域を調査して全国データを更新。
- 中国
- 10年ごとに「全国人口普査」を実施。
- 経済政策や都市計画の基礎資料として活用。
国勢調査 は日本と同様に、各国で政策決定や社会構造の把握に不可欠なデータとして活用されています。
3. 国勢調査 の費用と費用対効果
国勢調査 には膨大な費用がかかるものの、そのデータは行政・経済・社会政策の基盤となるため、費用対効果は非常に高いとされています。
戸籍・住民票・納税記録などで把握できないのか(わざわざ調査する必要があるのか)
住民基本台帳や戸籍の情報では人口や世帯の実態を完全に把握することは難しいため、 国勢調査 が必要になります。
住民基本台帳では把握できない情報の例
- 世帯の構成 → 住民票では「家族単位」だが、実際の生活では「ルームシェア」など異なる形態がある
- 就業状況 → 住民票には職業の記載がないため、労働市場の実態を把握できない
- 通勤・通学の交通手段 → どの交通機関を利用しているかは住民票では分からない
国勢調査は、こうした行政データでは得られない情報を補完し、政策決定の基礎資料を作るために行われます。
4. 国勢調査 の時の注意|調査員の役割と詐欺への注意
国勢調査の調査票は基本的に調査員による手渡しが中心で(オートロックマンションや長期不在世帯は郵便受けに投函もしくは郵送対応)、 国勢調査員は毎回募集される短期の業務であり、自治体が公募する形で選ばれます。
そのため、専門職員ではない一般市民の調査員が家庭や個人の情報に触れることになりますが、調査員には厳格な守秘義務が課されています。
調査員の守秘義務
- 統計法に基づき、調査で得た情報を外部に漏らしてはならない(過去に調査員だった人にも適用)
- 違反すると「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」の可能性あり
調査員を騙る詐欺への注意
2020年の国勢調査の際には、調査員を装った詐欺が各地で報告されていました。
具体的な件数は公表されていませんが、SNSなどで「偽調査員が訪問して個人情報を聞き出そうとした」という報告が相次ぎ、総務省も注意喚起を行っていました。
調査員が訪問してきたときのチェックポイント
- 調査員証を確認する
- 顔写真付き
- 「国勢調査」または「総務省統計局」の名称が記載
- 自治体の発行印がある
- 個人情報(年収、銀行口座など)を聞くことはない
- 電話・メールでの個人情報の聞き取りは行っていない
まとめ| 国勢調査 の重要性と注意点
- 行政・経済・社会政策の基盤となる重要な調査
- 費用はかかるが、都市計画・財政配分・企業活動などに活用されるため費用対効果は高い
- 調査員を名乗る詐欺に注意し、個人情報を聞かれたら警戒する
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