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「 あく 抜き」という名の通過儀礼〜春野菜の苦みと健康の意外な関係〜

今日の家事とごはん
この記事は約3分で読めます。

春の訪れとともに楽しめるワラビやタケコノには独特の「 あく 」があり、そのままでは強いえぐみや渋みを感じるため適切な「あく抜き」が必要なります。

今回、「あく」とは何か、なぜ春の野菜に含まれるのか。

また春は健康診断の季節、「 あく 」のある食材が健康診断結果にどのような影響を与えるのか(食べ過ぎ注意)について詳しくまとめました。

「 あく 」とは何か?

「あく(灰汁)」とは、食材に含まれる渋み・えぐみ・臭みの原因となる成分のこと。

春野菜に多く含まれるのは以下のようなもの:

  • シュウ酸:えぐみの正体。ほうれん草やタケノコ、わらびに多い
  • ポリフェノール:苦みのもと。抗酸化作用もある
  • アルカロイド:わらびに含まれる天然毒。神経に作用することも
  • タンニン:渋みの原因。胃を荒らすこともある

春の野菜に「 あく 」が多い理由

春野菜は成長のために栄養を蓄えているため、外敵から身を守るために“あく”が必要

たとえば:

  • アルカロイド:害虫や動物に食べられないようにする防御物質
  • シュウ酸:雑菌の繁殖を抑える抗菌的な働きもある

つまり、あくは植物の“自己防衛本能”
それを人間が「おいしく食べる」ためには、ひと手間かけて“通過儀礼”を済ませる必要があるというわけ。

あく を抜く方法は食材によって違

「あく抜き」はあくの種類によって異なる

わらびのあく抜き(シュウ酸+アルカロイド)

  • 強いあくを含むため、アルカリ性の重曹や灰を使う
  • 熱湯を注ぎ、一晩置くことでシュウ酸を中和
  • 長時間放置することでアルカロイドも除去

たけのこのあく抜き(シュウ酸)

  • 比較的弱いあくのため、米ぬかを使って自然な風味を保つ
  • 炭酸水を使うことでシュウ酸を緩やかに中和する方法もある
  • 長時間煮ることでえぐみを軽減

つまり、わらびは強いあくのため「強い中和処理」が必要で、たけのこは風味を損なわない「穏やかな処理」が適しているという違いがある(重曹を使ってたけのこのあく抜きすると風味が損われる)

あく を食べたらどうなる? 体への害は?

あくのある食材を適切に処理せずに摂取すると、健康に影響を与える可能性があります。

安全に美味しく春の野菜を楽しむには、適切なあく抜きが重要になります。

シュウ酸の影響

  • 過剰摂取するとカルシウムと結合し、尿路結石の原因になる
  • 水溶性なので、茹でることで約50%減少

シュウ酸カルシウムが結晶化しやすいため、水分を十分に摂ることで排出を促し、結石のリスクを抑えることが重要

アルカロイドの影響(わらび)

  • 大量摂取すると神経毒性があるため注意が必要
  • しっかりあく抜きすれば問題なく食べられる

ポリフェノール・タンニンの影響

  • 過剰摂取で胃を荒らすことがある
  • 適度な摂取なら抗酸化作用があり、むしろ健康に良い

健康診断に影響は?

春は健康診断の季節。
実は、あくのある食材を食べすぎると、検査結果に影響が出る可能性がある

尿検査に影響する項目

血液検査に影響する項目

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