麻しん (はしか)の感染が世界的に拡大し、日本でも感染報告が相次いでいるそうです。
麻しん は年齢を問わず重症化や死にいたる合併症をもたらすリスクがあります。
麻しん の感染拡大の原因「ワクチン接種率の低下」
麻しん の感染拡大の原因のひとつは 麻しん ワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)の接種率の低下。
日本では現在1歳と小学校入学前1年間の計2回の定期接種が行われていますが、2回接種を終えた割合は2020年度以降減少して、2022年度は92.4%だったそうです。
感染の流行を防ぐには、人口の95%が麻しんワクチンを2回接種することが望ましいそうです。
さらに1972年~2000年3月に生まれた人は麻しんワクチンの接種が1回のみの可能性があり、日本全体で流行を防げる接種率になっていないようです(1972年以前に生まれた世代は感染して免疫を獲得している人が多い※未感染の可能性もあるので安全ではない)。
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個人の感染予防対策が重要になる
麻しん の 世界的な流行状況
世界保健機関(WHO)によると、2023年は30万人のはしかの感染が報告されたそうです(2022年比 8割増)。
過去に「麻しんの排除」を宣言していた国からも増加の報告があがっており、日本も2015年に麻しんの排除が認定されたものの2020~2022年は10人以下に対して2023年は28人で増加しています。
※前年比の2022年がコロナ禍中なので正確な判断とは言い難い点もある(コロナ禍=2020年~2022年)
麻しん の 合併症のリスクは10万人に1人
麻しんの合併症のリスク「10万人に1人」は頻度が高くないほうですが、学童期に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)を発症するリスクがあるとされています。
1回目の定期接種が1歳、2回目の定期接種が小学校入学前の1年間の理由はコレのようです。
- SSPEはどの世代でも起こり得る(予防接種のタイミングは学童期の感染リスクを抑えるため)
- SSPEは致死性が高い(脳に侵入して強毒性を増す)
- 自覚症状がないまま何年後かに発症することもある
【結論】 麻しん の予防には、幼稚園年長のときの予防接種が重要
麻しんの予防接種(定期接種)は2回あります(1歳のときに1回目、小学校入学前の1年間が2回目)。
2022年の予防接種率は約92%となっていますが、今回子どもの麻しんの予防接種を体験して92%にもやや納得してしまう点がありました。
幼稚園児の子どもをもつ保護者は次の点に注意してください。
- 麻しん の予防接種は1回では免疫が不十分で、のちに重症化する可能性がある
- 麻しん の予防接種(麻しん・風しん混合ワクチン/MR)の定期接種の期限は小学校入学前の3月31日まで
- 定期接種は期限が過ぎると全額自己負担になる(約1万円/回)
- 10~11月に実施されるの就学前検診で未接種の注意を受けたらできるだけ早く接種する
- 接種し忘れることを防ぐ
- 12月以降はインフルエンザやコロナウイルス感染症が流行して接種のタイミングを逃しやすい
- 2023-2024年のように会社都合でワクチンの供給量が減ってワクチンが確保できず、予防接種が期限内にできないことがある
子どもが産まれてから2年間くらいは予防接種でよく病院に行くから忘れにくいけれど、子どもが3歳を過ぎると予防接種が激減するので忘れにくいです。
特に注射をいやがる子どもの場合、連れていく親も後回しにしやすいから要注意ですね。
また、最近ワクチン不足が相次いでいます。
いままではワクチンの確保が簡単だったので予約・接種がスムーズにすみましたが、供給量が減ると多少優先されてもいままでのように予防接種できないことがあるので注意が必要です。
関連記事麻しん風しん混合ワクチン 、ワクチン品薄、小学校入学前にギリギリセーフ – 主婦でときどき小説家の怠惰な毎日 (tudurucoto.info)
参考
はしか感染拡大、全国で報告 国際便の搭乗者や劇場の観客でも ワクチン接種率低下が一因、回数不足の可能性も (msn.com)
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