2024年秋、 郵便 料金が値上げされそうです。
2023年12月18日、総務省は「手紙とはがきの値上げを行う方針」を示し、審議会での議論が始まりました。
- 手紙 84円→110円
- はがき 63円→85円
- レターパックや速達なども値上げを検討する
いままでも消費税率の引き上げによって値上げされてきましたが、消費税率の値上げ以外の理由での値上げは1994年以来30年ぶりだそうです。
はがきが22円の値上げ、2024年で年賀状じまいにする人が増えそうです。
郵便 料金値上げ理由は「郵便事業の赤字」
総務省は「今後の郵便事業の収支の見通し」について、値上げを行わない場合は営業赤字の額が2027年度に3000億円を超える規模に拡大する試算を明らかにしたそうです。
郵便 事業は2022年度からずっと赤字(2007年の郵政民営化後)
ちなみに3000億円を超える赤字は2027年度分のみ。
2023年は919億円の赤字で、今後もずっと赤字経営が続いて、2024年秋の値上げがない場合は5年間の累積赤字は8100億円を超える見込みです(2023年~2027年の累積)。
郵便 事業、値上げしても赤字経営は変わらない見込み
総務省の見通しでは値上げしても赤字経営は変わらないとのこと。
2024年秋に値上げを行った場合でも、2025年度には67億円の黒字になるものの、翌2026ねんには再び400億円の赤字に転じてそれ以降は赤字経営になる見込みです。
郵便 事業、赤字の原因は利用者の減少
郵便事業の赤字の原因は「郵便の利用者の減少」で。国内郵便のピーク時(2001年)に比べて昨年は45%減少していると発表。
現時点で赤字ということは収入に比べて支出が多く、今後も赤字が続くという見通しは支出を削減する目処が立っていないということ。郵便事業の維持に向けては「業務の効率化」のほかに事業の維持のあり方についても議論となりそうです。
ちなみに30年前に郵便料金を値上げした理由も郵便事業の収支悪化だったそうです(25グラム以下の封書の郵便料金が50円→80円になった模様※はがきは50円のまま)。
郵便 事業は民営化されたけれど総務省の管轄
2007年10月に 郵便 事業は民営化されて「郵政グループ」が管理運営していますが、 郵便 事業は総務省の管轄になります。
そのため今回の 郵便 料金の値上げ案は「自主的な値上げ(=会社判断)」ですが、総務省の審議会に方針案が提出されて議論されてからの値上げとなります。
郵便 物のうち、重さ25グラム以下の手紙の値上げは省令の改正が必要。総務省での審議会の議論のほか、消費者庁との協議や関係閣僚会議の議論などの手続きが進められることになるそうです。
民営化されたけれど国の管轄である事業は他にもあり、日本鉄道建設公団は国交省の管轄、日本たばこ産業株式会社は財務省の管轄にあります。
郵便 は万国郵便連合憲章と郵便法で保証されている
「郵便物」とは郵便によって送られる手紙や物品のことで、日本は万国郵便連合(UPU)に加盟しているので郵便物を他の加盟国に送ることができます。
国内でやり取りされる郵便物については「郵便法」で、国際的にやり取りされる郵便物については「万国郵便連合憲章」で決められています。
郵便 に関する国際ルール「万国郵便連合憲章」
日本で近代郵便事業が始まったのは明治時代(1871年、明治4年)、1874年に郵便に関する国際機関(万国郵便連合/Universal Postal Union)が設立されたことで郵便事業を国際ルール(万国郵便連合憲章)に則って整備されました。
- 地球上のほぼすべての地域から固定料金に近い形で郵便物が送れること。
- 国際郵便、国内郵便(内国郵便)がともに同様の扱いがなされること。
- 国際郵便料金は、それぞれの国で徴収し、使用すること。
郵便切手は各加盟国で発行されていますが、どの加盟国の切手でも国際的に通用します。
郵便 に関する国内ルール「郵便法(新郵便法)」
「郵便法」は「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進すること」を目的として制定された法律です。
郵便事業は明治時代からありましたが、現在の郵便法(新郵便法)は戦後に制定されたものです(戦時中の信書・通信の検閲が許容された旧法は問題視された)。
- 信書の送達の独占、検閲の禁止
- 郵便の業務に従事する者が知り得た秘密を保持する義務(いわゆる守秘義務)
- 万人に公平なサービスの提供
- 郵便物の定義
- 特殊扱いの定義
- 郵便物に対する損失補償と損害賠償
以上のように、現在の郵便法は日本国憲法の精神及び万国郵便連合の国際的標準に沿ったものに成っています。
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