レジオネラ菌 に感染するとどうなるの?名前は有名だけど症状など知られていない レジオネラ菌

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 日本は温泉大国なので「 レジオネラ菌 」はよく聞きますが、レジオネラ菌に感染するとどうなるのかなどは意外と知られていません。

 先日、埼玉県の温泉施設で基準値の200倍の「 レジオネラ菌 」が検出されたと報道がありました。

 利用したことはありませんが知らない施設ではなく、「もしあの施設を利用していたらどうなっていたのか」とか「どんな症状が出たらレジオネラ菌が原因なのか」など思ったので レジオネラ菌 について調べました。

参考【医師監修】レジオネラ菌が増殖しやすい環境と感染したときの症状 ― 予防のためにできる対策とは? | 医師が作る医療情報メディア【medicommi】

レジオネラ菌 とは

 レジオネラ菌とは自然界に生息するカビの一種で(種類が豊富なので「レジオネラ属菌」と総称されることもある)。

 レジオネラ菌は河川敷や森林地帯などにいますが、自然の中でレジオネラ菌が大量に増殖することはなく、大量に増殖するのは次の条件を満たす「不衛生な人工的な環境」です。

  • 近くに土壌か水がある
  • 温度30℃以上、湿度50%以上

 レジオネラ菌は自然界に存在するカビなので、土や水から養分を受け取ることで生き続けます。

 レジオネラ菌はカビの一種なので、他のカビと同様に「温度が30℃以上かつ湿度50%以上の高温多湿の環境」を好み、レジオネラ菌は20〜50℃の温度範囲で繁殖するとされています(36℃前後の温度が最も繁殖しやすい)。

 温泉施設で増殖するのが分かる条件です。

レジオネラ菌 の 感染経路

 レジオネラ菌 は経口感染で、レジオネラ属菌を含んだ細かい水滴(エアロゾル)を口から吸い込むことで感染します。

 温泉やプールなど1つの感染源から複数の人に感染が拡大することはありますが、人から人へと伝染することはないと考えられています。

レジオネラ菌 が体内で増殖すると

 口から体内に入った レジオネラ菌 は肺に付着し、血液の水分を媒介にして10日ほどかけて繁殖します(ヒトの体温は繁殖に適した温度)。

 そして レジオネラ菌 が一定量を超えると、 レジオネラ菌 は肺の中で特殊な酵素を出して肺の組織を攻撃しはじめます。この段階で体は異常を感知して抗体を出すため、次のような症状が出ます。

  • ポンティアック熱
  • レジオネラ肺炎

ポンティアック熱

 頭痛や発熱、筋肉痛などが主症状で、基本的には軽症ですみます。

レジオネラ肺炎

 39℃以上の高熱や吐き気、呼吸困難、意識障害などが主症状。

 重篤化しやすく死亡例もあるため、乳幼児や高齢者など抵抗力の弱い人は特に注意が必要です。

レジオネラ菌 の 感染確認と治療方法

感染の確認方法

 レジオネラ菌の感染は、尿検査、血液検査、胸部レントゲン(X線)で確認します。

 尿中レジオネラ抗原の検査キットがあるので迅速な確認が可能で、レジオネラ菌による肺炎の診断のために胸部レントゲン(X線)の検査を行います。

治療方法

 レジオネラ菌の感染が分かったら、ニューキノロン系やマクロライド系の抗生物質による薬物療法が行われ、肺炎の症状や脱水の症状が見られた場合は酸素吸入や補液療法などの対症療法が並行して行われます。

 多くの場合は抗生物質の投与で症状は軽くなります。

 しかし、治療が遅くなった場合や重症化しやすい基礎疾患がある場合は死亡することもあります。

レジオネラ菌 の感染について施設を訴えることができる

 レジオネラ菌 の感染経路がプールや温泉などの施設だと確認できたら、施設運営会社に対して「不法行為責任」と「安全配慮義務違反」で損害賠償を請求できる可能性があります

 レジオネラ菌の潜伏期間は1~2週間なので、プールや温泉施設を利用した場合は2週間ほど「利用を証明できるもの」を保管しておくと安心です。

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