今日は何の日? ―― 11月1日は「紅茶の日」
紅茶の日
1791年11月、ロシアに漂着した大黒屋光太夫が女帝エカテリーナ2世の茶会に招かれたとされることに由来。
1983年に日本紅茶協会が制定。
ジョン万次郎よりも前にロシアを見た日本人・大黒屋光太夫
大黒屋光太夫(だいこくや こうだゆう)は、現在の三重県鈴鹿市にあたる伊勢国の船乗りで、廻船「神昌丸」の船頭。
1782年、大黒屋光太夫は江戸へ向かう途中で嵐に遭い、約7カ月漂流した末に、アリューシャン列島のアムチトカ島に流れ着いた。
大黒屋光太夫はロシア語を習得し、現地のロシア人と共同生活を送り、船を建造してカムチャツカ → オホーツク → ヤクーツク → イルクーツクへ移動。
ロシアの博物学者キリル・ラクスマンの助力で首都サンクトペテルブルクへ向かい、ロシアの女帝・エカチェリーナ2世に直接謁見して帰国を願い出たという。
大黒屋光大夫は井上靖の小説『おろしや国酔夢譚』 の主人公としても有名。
帰国後の大黒屋光太夫の扱い
いまの感覚では「10年近く海外を生き抜いて帰国した英雄」だが、鎖国をしていた江戸幕府から見ると、大黒屋光太夫は「ロシアの内部事情を知っている貴重な人物」であり「外国の影響を受けた危険人物」でもあっただろう。
大黒屋光太夫は帰国後、将軍・徳川家斉や老中・松平定信らの前で事情聴取を受け、ロシアの政治、軍事、文化、言語などについて詳しく質問され、その証言は後に蘭学者・桂川甫周により『北槎聞略』としてまとめられた。
大黒屋光太夫には江戸で住まいが与えられ、生涯をそこで暮らしたとある。
幕府が面倒をみたようでもあるが、鎖国体制を維持したかった幕府による制限とも考えられる。
大黒屋光太夫の故郷である三重県史では、「幕府は彼を危険人物のように扱い、江戸番町の薬草場へ閉じこめてしまった」と説明されているが、1986年に文書が発見され、遭難から約20年後、大黒屋光太夫が故郷の伊勢へ帰郷していたことが判明した。
39 大黒屋光太夫とその帰郷(三重県公式サイト|三重県環境生活部文化振興課歴史公文書班)
女帝エカチェリーナとは?


今回は、ロシアをヨーロッパの列強の一角へ押し上げた女帝、エカチェリーナ2世(エカチェリーナ大帝)をイメージ。
エカチェリーナ2世は、1762年から1796年まで約34年間ロシアを統治した、ロシア史上でも重要な君主の一人。
生まれはロシアではなく、現在のポーランドにあたるシュチェチン(当時はプロイセン王国のシュテッティン)。
本名はソフィー・アウグステ・フリーデリケ。
ドイツ系貴族の娘だった彼女は、1744年にロシアへ渡り、翌1745年、16歳でロシア皇位継承者のピョートル(のちのピョートル3世)と結婚した。
しかし、この夫婦関係は決して良好ではなかった。
ピョートルはドイツのホルシュタインで育ち、プロイセン王フリードリヒ2世を熱烈に崇拝していた。
当時のロシアはプロイセンと戦争をしていたが、1762年に皇帝となったピョートル3世は、プロイセンとの講和を進め、さらに同盟まで結んでしまう。
ロシア側からすれば、長年戦ってきた相手と突然手を結ぶことになった。
この外交政策は、ピョートルへの反発を招いた理由の一つとされている。
一方、エカチェリーナとピョートルの夫婦関係も悪化していた。
互いに別の恋人を持ち、宮廷内では対立が深まっていく。
そして1762年、エカチェリーナは近衛部隊などの支持を受けてクーデターを起こし、夫を退位させ、自らロシア皇帝の座についた。
エカチェリーナ自身はロマノフ家の血を引いていなかったが、軍や有力者の支持を得て即位を実現したのだ。
その後、エカチェリーナ2世は領土の拡大や行政改革、文化の振興などを進め、ロシアの国際的な地位を高めた。
ただし、その統治は農奴制の強化などの問題も抱えており、評価は一面的ではない。
エカチェリーナの死後、ピョートルとの間に生まれた息子のパーヴェル1世が皇位を継承した。
ロマノフ朝は、その後も1917年のロシア革命まで続いていく。
最後の皇帝ニコライ2世の四女が、アナスタシア皇女。
皇帝一家が殺害された後、アナスタシアだけは生き延びたという伝説が広まり、映画やアニメの題材にもなった。
しかし、現在では遺骨調査やDNA鑑定によって、生存説は否定されている。
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