GoodNovelでは、「恋愛」と「ロマンス」が別のジャンルとしてある。
ロマンスは恋愛ではないのか。
「ロマンス」とは何なのか。
ロマンスは恋愛の一種だけれど、恋愛小説とは定義が違う
ロマンス作家協会(Romance Writers of America)などでは、ロマンスの条件として大きく、「ストーリーの中心が恋愛関係であること」と「恋愛的な結末に至る」という考え方がある。
「この二人は結ばれるのか?」という内容が主軸の作品は「ロマンス」に該当。
恋愛要素はあるけれど、物語を動かす主軸が復讐・成り上がり・サバイバル・サスペンスなどの場合は、広義的な「恋愛」に該当する。
GoodNovelの公式の定義はないが、ヒントはある
GoodNovel Academyでは「Romance(ロマンス)」を独立した主要ジャンルとして扱い、
- Enemies to Lovers(敵同士から恋人へ)
- Arranged/Contracted Marriage(政略・契約結婚)
- Poor Girl and Her Protector(守護者系)
- CEO Romance(CEO恋愛)
など、恋愛関係そのものを中心に楽しむ作品群として紹介している。
またGoodNovelの英語圏向け説明では、「Romance is distinct because it centers on love as the primary driver of the story. (ロマンスは、愛が物語を動かす主要な原動力であることが特徴)」と説明している。
今後、ロマンス分野ではどのような作品が求められるのか
今後、ロマンス分野ではどのような作品が求められるのかを、生成AIと共にコンテストなどの傾向から予測した。
「救われるヒロイン」から「人生を取り戻すヒロイン」へ
「王子様が助けてくれた」ではなく、これからは、恋愛はあるが救済の主体がヒロインで、「私が私の人生を取り戻す」というヒロインが求められると考えられる。
実際に、めちゃコミック原作大賞では次のようなヒロイン像を推している。
- 応援したくなるヒロイン
- 自分の人生は自分で決めるヒロイン
- 困難な状況から幸せをつかむヒロイン
「溺愛」より「執着」
コンテストの募集キーワードを見ると、「再会ロマンス」「不器用な恋」「愛憎」「復讐」が並んでいる。
このことから、編集部が「最初から愛している」ではなく、「愛しているのに上手く愛せない」を探し始めているように分析できる。
「ハイスペ御曹司が優しい」よりも次のような作品のほうが伸びそうだと思われる。
- 別れた元夫が狂うほど後悔する
- 愛しているのに信じられない
- 執着が愛か支配か分からない
恋愛50% + 人生ドラマ50%
めちゃコミックもエブリスタも、純粋な恋愛ではなく「ミステリー」「サスペンス」「復讐」「女性のキャリア」「家族問題」を恋愛に絡めたものを歓迎している。
議論を呼ぶヒーロー
SNS時代はコメントが伸びる作品が強いと予測される。
韓国ドラマや中国ドラマの人気にも近い構造。
「完璧なスパダリ」よりも「愛は深いが問題がある男」のほうが、読者は「この男、許せる?」と議論し、話題になると予想できる。
共闘ロマンス
めちゃコミックの推奨ストーリーには、「利害の一致で共闘することになった二人」がある。
昔のヒロインは守られるものだったが、今はヒロインも戦い、二人で問題を解決することが好まれそうだと考えられている。
ロマンス小説では「唯一無二」であることを大切にする
ロマンス小説を好む読者の中には、「一度別の人と関係を持つと、恋愛として受け入れられない」という読者が一定数いると言われている。
但し、厳密には「受け入れられない」というよりも、「ロマンスで求めている感情によって許容度が変わる」と考えたほうが正確。
ロマンス読者の多くは「この二人は運命だった」を味わいたい。
ところが、元恋人が何人もいたり、愛人がいたりすると、読者が感じたい「唯一無二感」を台無しにしてしまう。
特に中国系・韓国系・海外ロマンスアプリでは、「彼は最初から彼女だけを愛していた」という幻想が非常に強く好まれる。
それなら、なぜ「離婚」「復縁」「元夫の後悔」「セカンドチャンスロマンス」が増えているのか。
これらは一度関係が壊れていることが前提であり、傾向を見るとその多くは浮気であり、つまり「唯一無二感」が薄れるようなことがあったことを受け入れないことには成立しない。
そのためには、初恋至上主義と大人の再出発を共存させるという難題に挑む必要がある。
これらから予測できる今後のロマンスで強そうなのは――他の人を選んだことを後悔する物語。
最近増えている「追妻火葬場(妻を捨てた夫の後悔)」「元夫の執着」「復縁」「やり直しロマンス」は全部これで、読者が知りたいのは関係の有無ではなく、「失って初めて価値に気づく痛み」。
「本当に愛していたのは誰だったのか」。
溺愛に至るまでの葛藤や後悔、ヒロイン自身の選択が、より重要になるのではないかが重要視されると思われる。

コメント