季節性インフルエンザ の流行が今年も始まった。
2025年10月現在、厚生労働省の定点報告によると医療機関あたりの患者数は1.56人。流行開始の目安「1.00人」を大きく超えているため、全国的に流行シーズン入りと言える。
すでに「注意報レベル」に達している地域もある。
都市部を中心に感染が拡大しており、東京・沖縄・宮崎などで患者数が多く今後は地方にも広がる見込み。
季節性インフルエンザ |流行の早期化の可能性あり
去年に続き、今年も流行の始まりが早い。
今年は夏場から小規模な感染が続いて秋に入ってから急速に拡大、過去20年で2番目に早い流行入りとされ、例年より3〜4週間早いペース(インフルエンザの流行の早期化の可能性あり)。
過去最も早かったのは2023年。
第36週(9月上旬)に定点報告数が1.0を超えて過去最速の流行入り(今年は第39週)。
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2023‐2024年のインフルエンザ流行に関するコンテンツ
季節性インフルエンザ |2025年の流行型
今年のインフルエンザの流行は「A型(H1N1・H3N2)」が主流。
南半球の流行状況を踏まえると今季もA型が中心。特にH3N2が多く検出されており、若年層でも重症化するケースが報告されている。
ただし、2023-2024年は秋から年末にかけてA型が流行し、年明けからはB型が流行した。その例を参考にしてみれば、一定数流行しているB型(Victoria系統)にも注意したい。
2023‐2024年の感染拡大は「風邪症状との見分けがつきにくかったこと」も一因
- 感染から1~3日後に38℃以上の高熱、頭痛、全身のだるさなどの症状がすぐに現れる。すぐに現れるのが風邪との違い
- B型についてはお腹の症状がでることもあるため胃腸炎と誤解されるケースもある。
- 薬を飲まなくても1週間程度で自然に治癒することが多い
- 免疫機能が低い子どもや低下している高齢者の場合は肺や気管支などに二次感染を起こして重篤化することがある
季節性インフルエンザ |今後の流行の可能性と注意点
- ピークは12月〜2月と予測されるが、前倒しの可能性あり
- すでに流行が始まっているため、11月中にもピークを迎える地域が出る可能性があります
- 予防接種はやるなら早めに
- 接種後、効果が出るまでに約2~4週間かかる
- 11月上旬にピークが来るなら、遅くても10月中旬までの接種が理想
- 13歳未満の子どもは2回接種が基本
- 1回目と2回目の間隔は2〜4週間
- 2回目の接種がピークに間に合わない場合でも1回目だけでもある程度の予防効果は期待できる
- コロナ後の免疫低下が影響
- 長期の行動制限によりインフルエンザへの免疫が低下している人が多い(感染拡大の土壌ができている)
- ワクチン接種の重要性が高まっている
- 今季はH3N2株が更新されており早めの接種が推奨
「H3N2株が更新された」とは、ワクチンに使われるウイルス株が新しい型に差し替えられたこと。
インフルエンザウイルスは毎年少しずつ変異(抗原変異)するため、前年の株では効果が落ちる可能性がある。WHOと国立感染症研究所が、流行予測に基づいて最も有効とされる株を選定し、ワクチン製造に使用。
季節性インフルエンザ |今年のワクチン株の評価
2025年秋時点では、ワクチン株と流行株の抗原性は概ね一致しており、全体としては「今年のワクチンは当たり年」と言える状況。
- 国立感染症研究所の抗原性解析によると、国内で分離された流行株の多くが、ワクチン株に対して良好な反応を示した
- 一部の株では抗原部位に変異(例:G155E)が見られ、反応性が低下するケースもある
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