世界的脅威となっている 細菌性 AMR を防ぐためにできること(AMR=薬剤耐性)

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 近年、世界規模で AMR (薬剤耐性)が問題になっています。今回は AMR についてまとめました。

AMR (薬剤耐性)とは?

 AMR (Antimicrobial Resistance)とは、いままで効いていた薬の成分に対して微生物が耐性を持つことでその成分が効かなくなってしまうことです。

 微生物 … 細菌、ウイルス、寄生虫など

 微生物のほうが変化します(ヒトの体が変化して服用し過ぎて薬が効かなくなることだと勘違いしているケースが多い)。

 この AMR で「世界的脅威」と言われるのは細菌の変化(細菌性 AMR )です。

 1945年、ペニシリンの発見者であるフレミング氏はノーベル賞の受賞スピーチの中でこの「 AMR 」を問題視していました。その問題が現実的になっています。

参考 AMRとは/AMR臨床リファレンスセンター(https://amrcrc.ncgm.go.jp/)

AMR を持った細菌が生まれる原因は?

 ヒト、動物、植物における抗菌薬の誤用と過剰使用は、 AMR 発生の主な要因となっています。誤用と過剰使用により体内の細菌バランスが崩れ細菌性 AMR が発生しやすくなるといわれています。

 細菌性 AMR は2019年に世界で 127 万人の死亡に直接関与し、495 万人の死亡に寄与したと推定されています。

参考 薬剤耐性/公益社団法人日本WHO協会(https://japan-who.or.jp/)

細菌性 AMR が増えるとどうなるのか。

 細菌性 AMR が増えると抗菌薬が効かなくなることから、これまでは、感染症を発症しても適切に治療すれば軽症で回復できた感染症が、治療が難しくなって重症化しやすくなります(後遺症が残ったり死亡に至る可能性も高まる)。

 新しい抗菌薬の開発には多くの時間、労力、費用がかかります。

細菌性 AMR を防ぐためにできること

 医療の現場では AMR を防ぐため必要ない抗生物質の処方を防ぐ取り組みが重要視されていますが、そのために私たちができることは次の通りです。

  • 医師に自分の症状を詳しく説明し、医師が適切な診断を下せるようにする
  • 抗菌薬を適切に使用する(抗菌薬は医師または薬剤師の指示に従い全て飲みきる)
  • 抗菌薬を自分以外が服用しない
  • わからないことがあったら医師または薬剤師に聞く

参考 抗菌薬が効かない「薬剤耐性(AMR)」が拡大! 一人ひとりができることは?/政府広報オンライン(www.gov-online.go.jp)

 感染症は一年を通して流行しています。個人的な感覚ですが季節外れに感じてしまう感染症もあります。

 自分や子どもがどの感染症に罹っているかについては必ず医師の診察を受け、適切な抗菌薬(抗生物質)を服用することが大切です。それは長い目で見れば AMR を防ぐことになるでしょうが、不必要な抗生物質を飲むことは子どもの体には大きな負担となってしまいます。

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