今季の 季節性インフルエンザ について、厚生労働省は発生状況公表を始める第36週(9月上旬)からわずか1ヶ月、第41週の時点で患者報告数がすでに全国で24.3万人に達したと発表。
この状況について日本感染症学会は「今までに例を見ない状況」と発言。
インフルエンザワクチンの積極的な接種を推奨しているようです。
季節性インフルエンザ |冬以外も流行、学級閉鎖も
インフルエンザ は冬に流行するイメージがあるが、2023年は10月の段階ですでに「ずっと流行している」という気がする。
今季は夏頃から散発的に患者が報告されていた。
第41週までの患者数については次の通り。
- 昨年同期の450倍
- 直近10シーズンのうち最も多かった2019-20年と比べても10倍近く多い
厚生労働省ではインフルエンザの流行の目安である『流行注意報基準』を定点あたり10.0としていますが、第41週の全国平均は11.07と、早くも流行注意報の基準を超えました。これは極めて異例の状況です。
季節性インフルエンザ |2023年にこんなに流行している理由
- インフルエンザA(H1N1)亜型やA(H3N2)亜型の抗体を保有している人の割合が全体的に低下(新型コロナウイルス感染症の影響あり)
- 気温の日ごとの上下や朝晩の温度差が激しいため、季節性インフルエンザが流行りやすい状況にある
季節性インフルエンザ |予防ワクチン、2023年の供給量について
厚労省は2023年度のインフルエンザワクチン供給量を3121万本と発表。
これは通常年の使用量を超える供給量(見込み)
多くの自治体で10月から始まったインフルエンザワクチンの接種の予約が10月内はほぼ埋まってしまったという報告も各地の医療機関からでている。
インフルエンザワクチンはインフルエンザウイルスに対する免疫を獲得するために設計された4価ワクチン。
2種類のインフルエンザA型ウイルスの株と2種類のインフルエンザB型ウイルスの株、この計4種類を予防するようになっている。
ワクチンの予防効果が期待できるのは接種の2~4週後からで、有効期限は約5ヵ月。
ピーク時にインフルエンザを予防するならば10月~11月のできるだけ早い時期の接種が推奨されています。
季節性インフルエンザ |症状に対処する風邪薬が不足している
インフルエンザの主なな症状であるせきや発熱を抑える風邪薬が不足している。
特に不足しているのは咳止め薬。
季節性インフルエンザは主に呼吸器に症状が出るので、咳止め薬の不足は深刻。
《現時点でも薬の不足への対処法》
- 医師に相談した上で別の薬への代替する
- 在庫がある別の薬局へ移ってもらう
別の薬局への移動は患者の負担、結局は生産量が戻ることを期待するしかない。
但し、「生産体制や業界の構造を改善する具体策を2023年末までにまとめる」という段階なので今シーズンは咳止め薬不足で乗りきらなければいけない予感がする。
季節性インフルエンザ |予防ワクチンの市場規模は69.1億米ドル
インフルエンザワクチンの市場規模は年々成長している。
- 2022年 64億5000万米ドル
- 2023年 69億1000万米ドル
今後の見通しとして、2027年には92億8000万米ドルに達する見込み。
1米ドルあたり145円で計算すると2023年は1兆円超え、季節性インフルエンザの罹患率の増加は、インフルエンザワクチン市場を今後も成長させていくと予想されています。
またインフルエンザワクチン市場は2022年では北米が最大だが、アジア太平洋地域は最も成長する市場となる見込みとなっている。

コメント