番の心変わり

note.3 手紙

「リアちゃーん、いるー?」サラリアは棚に収めようとしていた数冊の本を脚立の上に置いて、店内のカウンターに急いだ。揺れるのが面白かったらしい。背負っていた子どもが楽しそうな声をあげる。しつこい風邪なのか微熱が続き、怠さのせいかずっと機嫌が悪い...

note.2 王竜

「出てこい」牢ともいえる部屋の扉が久し振りに開き、入ってきた四人の竜人にサラリアは苦笑する。先頭の男の身分が高いのか後ろの二人は従っているように見えるが、人間相手に大袈裟なことには変わらない。「オーレリウス・ウィンドスケイルです。ご同行くだ...

note.1 竜王

窓の外から金属が擦れる音が聞こえたサラリサは、窓から下を見えた兵士たちに笑った。「人間なんかに大袈裟……この部屋ともお別れね」この部屋にはなにかあるのかサラリアの体を含めて常に清潔。この部屋に入る前に着けられた腕輪のおかげで空腹も感じられる...