小説家になろう で聖女が出てくる恋愛小説を書いてみようとした。
理由は簡単、流行しているから。
「聖女」とか「溺愛」が人気のあるワードだったから、聖女がまわりの人たちに溺愛されて幸せになる話を作ろうとした。
プロット段階では「いける!」と思ったが、恋愛要素は薄めのヒューマンドラマになった。「ほのぼの」と「溺愛」はなんとか……。
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十七十七年前のあの日、「聖女」は死んだ。
でも「私」は生きている。私は父伯爵に異母妹ラシャータの代わりに彼女の婚約者アレックス・ウィンスロープ公爵に嫁げと言われた。彼は異母妹の自慢の婚約者だったが、魔物との戦いで呪われたという。
二十歳、初めての外の世界。
そこにはたくさんの「愛」があった。
「聖女」という存在はライトノベルではデフォルトだが実際に「聖女」と呼ばれる人物は実在したのか。

歴史上、実在した人物で「聖女」と称される女性たちは多数存在します。特にキリスト教圏では、信仰・慈善・殉教などの功績によって“聖人”として列聖された女性たちが「聖女」と呼ばれています。
マザー・テレサ(コルカタの聖テレサ)
- 1910 – 1997
- 20世紀を代表する慈善活動家であり、カトリック教会の聖女
- アイルランドのロレト修道女会に入会し、ダージリン(インド)へ派遣。カルカッタの聖マリア学院で教師として働くが、スラム街の貧困に心を痛める。
- 修道会を離れ、貧しい人々のための活動を開始。
- 「神の愛の宣教者会」を創設し、ホスピス、孤児院、診療所などを開設し、ハンセン病患者やHIV感染者など社会的弱者に寄り添う活動を展開
- 1979年にノーベル平和賞受賞
ジャンヌ・ダルク
- フランスの国民的英雄にして、カトリック教会の聖女。
- フランスを救い王太子シャルルを戴冠させるようにという神の啓示を受けてシャルルに謁見、イングランドとフランスの王位継承をめぐる長期戦争「百年戦争」に参戦。
- 軍を率いてオルレシアン包囲戦を勝利に導いた「オルレシアンの乙女」。
- 異端者として宗教裁判にかけられ火刑に処されたものの、カトリック教会による再審で無罪判決。
他にも「リジューのテレーズ」「聖セシリア」「聖アグネス」「ベルナデッタ・シビルー」など聖女について調べると何人も出てくる。
ここで気になったのが「カトリック教会の聖女」という表現と「列聖」という単語。

「聖女(聖人)」とされる人物はカトリック教会によって正式な手続きを経て認定されます。この認定は「列聖(れっせい)」と呼ばれ、信仰・徳・奇跡などの証拠に基づいて慎重に審査されるプロセスです。
カトリック教会の聖女(聖人)の認定の流れ
- 列聖のプロセス(通常は死後)
- 僕(しもべ)・神のしもべ(Servant of God):教区レベルで調査開始
- 尊者(Venerable):教皇が「英雄的な徳があった」と認定
- 福者(Blessed):1つの奇跡が認定されると列福される
- 聖人(Saint):さらにもう1つの奇跡が認定されると列聖される
- 奇跡の認定
- 医学的に説明できない治癒などが多い
- 奇跡は本人の取り次ぎによって起きたとされることが条件

日本にも、カトリック教会によって正式に「聖人」と認定された人物がいます。これはローマ教皇庁による厳格な審査と手続きを経て、信仰と殉教の証として認定されるものです。
日本における聖人認定の代表例
日本二十六聖人(1597年殉教)
- 背景:豊臣秀吉によるキリスト教弾圧の中、長崎で処刑された26人の信徒と宣教師
- 構成:日本人20名+外国人宣教師6名
- 列聖:1862年、教皇ピウス9世によって列聖
- 記念日:2月5日(殉教の日)
聖トマス西と15殉教者(1622年)
- 背景:江戸時代初期のキリスト教禁制下で殉教
- 列聖:1987年、教皇ヨハネ・パウロ2世によって列聖
- 記念日:9月10日
聖ペトロ岐部と187殉教者(17世紀)
- 背景:全国各地で殉教した信徒たち
- 列福:2008年、教皇ベネディクト16世によって列福
- ※聖人(列聖)ではなく「福者」として認定

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